「SiOt」実践レポート⑤(最終回) -実感編- プログラム素人が、簡単プログラマーで自動化に挑戦

ものづくりライターの新開です。今回、SUSが販売している「SiOt トレーニングキット」を購入し、IoT Programmerというフリーソフトを使って簡単なプログラムにチャレンジしました。開封~接続~設定~サンプルプログラム~自分でプログラムをやってみて、ここまでかかった時間はわずか半日ほど。実際にやってみて感じた、メリットと課題をまとめました。

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プログラムの知識がない私でもできれば、きっと誰でもできる!
と思ってやってみた感想です。

タイパ・コスパ最強の自動化ツールだ

まず、今回試したようなちょっとした自動化プログラムを従来のスタイルでやろうとすると、PLCと電気設計と配線工事ができるエンジニアを育成するか、そういう人を他社から連れてくるか、という2択になってしまいます。これがコスパ・タイパが非常に悪く、中小企業だとなかなか手が出しにくくて自動化が進まない要因のひとつだったと考えています。

それが、「SiOt」とフリーソフトを使ってわずか半日で入り口に立てたというのは、かなり画期的です。タイパ・コスパ最強の自動化ツールだと思いました。ということで、私が実感したメリットと課題はこちらです。

メリット

  • プログラムの知識がなくても、簡単なプログラムが実際作れた
     ⇒現場のエンジニアが自分で自動化できる
  • 連動して動くセンサーや直交ロボット、コネクタで簡単に接続できる配線が既製品で用意されているので、電気配線の知識がなくても組み立てられる
  • SiOtの本体価格は 12,000円。最安のモデルは1個2,000円~あるので、導入のハードルがとにかく低い

課題

  • 最初は教室などで誰かに習ったほうが効果が高いかも
    (こんな風にできるかな? を実現する方法を聞きたい)
  • 不要なのは「プログラム言語」の知識なのであって、ロジックを組み立てるプログラム思考は必要である(何も考えずにできるわけではない)
  • 最低限のものづくりとPCスキルは必要だと思う(本当に「誰でも」できるわけではなさそう)

最初は「小学生向けプログラミング教室でも30分ほどでプログラムできるようになった」と聞いていたので「私も!」と思ったのですが、それはたぶん環境が用意されていて、先生がいるからだできることだと思いました。トレーニングキットで動画を見ながらの独習だと、「これは……?」という箇所が度々あり、私もSUSさんに2度も電話して質問してしまいました。なので最初の立ち上げと基本の部分は教室に行けたら良かったな、と思いました。

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SUSさん、現場スタッフ向け導入初級研修をぜひご検討ください

もう一つ、私はPLCのプログラムは未経験だったのですが、ホームページ制作歴が20年以上あり、プログラムの大原則みたいなスキルは元々持っていました。ものづくりライター兼コンサルタントとして現場の場数も踏んでおり、これらの過去の経験がプラスに働いて半日でここまでできたように思いました。

「SiOt」を使ったプログラムは、プログラム言語不要で簡単とはいえ、プログラムを作ることには変わりありません。ですので、①現場がわかる ②ロジックで考えられる というものづくりと思考のスキルは必要で、「誰でもできるわけではないかも?」とも少し感じました。

とはいえ、現場のことは現場の人が一番わかっているので、その人が自らプログラムを組んで改善に取り組めるというのは本当に画期的。これまで当たり前だと思ってやっていた「エラー発生に備えて現場で見ている」「そろそろ完成? というタイミングを測って完成品BOXを見に行く」「何故エラーになったのか、原因を後から机上で検討する」というような動作・作業をなくせる可能性があります。

中小企業、町工場でもどんどん導入していって、会社ごとに生産性を高めていってほしいものです。そして、「こういう改善ツールがある」「こんな自動化事例がある」と認識した状態で現場を歩いてみるのが一番良いのではないかと思いました。

改善事例とヒント満載のカタログが参考になる

私は運良くSUSさんから事前にカタログをいただくことができたのですが、ここに活用事例が豊富に紹介されています。

SiO(赤いカタログ)とSiOt(青いカタログ)の違いは、通信機能の有無です。白はどちらにも接続可能なオプションツールのカタログで、配線やボタン、スイッチ、センサー、エアシリンダーなどがラインアップされています。

  • SiOは、日本語選択式の簡単プログラムで現場の電動化や改善を行う、SiOの基本形
  • SiOtは、SiOにEthernet通信機能がついたシリーズ。無料ソフト「IoTプログラマー」との連携で、「メール送信」「ログファイル保存」「タクトタイム計測」などができる
SiOシリーズ カタログ

ここに掲載されている事例を見てから自社の現場を見てみると、改善のヒントが文字通り満載。「自社で展開できそうだ……」と思う事例の欄には、必要な部品とプログラムの設定の仕方などが書いてあり、かなりの近道ができるのでおすすめですよ! ※欲しい方は下記リンクの公式サイトからSUSさんにお問い合わせください。

ということで、今回の「SiO 実践レポート」は以上として、これからはクライアントの現場に導入検討を始めていきます。また進展がありましたらご報告します。以上、ものづくりライターの新開でした。

「現場力」を強化する SiO by SUS
https://sio.sus.co.jp/