食品産業イノベーション推進事業

今日は農林水産省の新しい補助金「食品産業イノベーション推進事業」の説明会に行ってきました。

食品産業イノベーション推進事業 説明会

こちらの補助金、今年度から始まる新しい補助金で、なんと農林水産省管轄。昨年まで実施されていた経済産業省の「ロボット補助金」の成功を見て、食品産業における生産性向上の革新的な取り組みを補助するために始まった取り組みとのことです。

補助の内容は
①ロボット、ICT、AIを使った生産性向上のための革新的な設備投資に、補助率1/2、最大1200万円の補助
②設備投資なしで生産性工場を図るためのコンサルティング費用に、補助率100%、最大500万円の補助
とのことです。とくに、コンサルティング費用が全額補助いただけるのは他の補助金にはない魅力です。ここだけ見ると、設備投資の予定がある食品製造業の企業にはかなりおすすめできます。

食品産業イノベーション推進事業

しかし、いくつか問題が……

まず、公募期間が短い。6月19日に始まって、7月12日正午必着の締切です。これから「ロボット、ICT、AI」がらみで3社以上相見積もりを取って事業計画を立てて提出するのは至難の業かと思われます。

次に、事業実施期間が短い。8月下旬の採択発表、月末の交付決定で、11月末には装置立ち上げ、試運転、データ取りを終えてほしいとのこと。これも、「ロボット、ICT、AI」がらみでは難しすぎます。

さらに、補助率は①1/2 ②100% となっていますが、審査の如何によっては後ほど「交付率」が設定される可能性もあるとのことです。ということは、1000万円で採択されても、交付率80%ということになれば800万円の交付になります。これは採択決定後にしかわからないとのことですが、もしそうなった場合差額の200万円はどうしたらいいのか? 中小企業にとっては大問題です。

最後に、予算が少ない。①で4000万円、②で2700万円の予算額とのことなので、全国で10社未満の採択となりそうです。厳しい……。

今後の生産性向上のモデルになるような案件を、とおっしゃってましたが、既に仕様検討済、発注目前の案件しか対象にならないような気がします。来年以降、同様の補助金が出てくるのであれば、事前準備をして臨むのがいいかもしれませんね。