話題のTSMC熊本工場「jasm」の建設現場をプチ定点観測

ものづくりライターの新開です。台湾の半導体メーカーTSMCが熊本県菊陽町に工場を建設中で、「熊本がアツい」と大変話題になっています。2023年は2月、5月、8月と、3回も出張中に近くを通過しましたので、その途中の状態を写真で残してきました。2024年12月の生産開始に向けて、徐々に建物の外観が完成していく様子をぜひご覧ください。

水の豊富な熊本の丘が建設地に

TSMCは台湾セミコンダクターカンパニーの略で、半導体を作っている台湾のメーカー、世界トップシェアを誇ります。そのTSMCが熊本で建設中の工場は、高度な情報処理ができるロジック半導体が作れる工場ということです。半導体を作るには、大量の水が必要で、阿蘇の伏流水が豊富な熊本が選ばれたようです。

2023年2月:丘の上に多数のクレーンが並ぶ

2023年2月、熊本市内から阿蘇方面に向かう国道57号線を流していると、左手(北側)の丘の上にたくさんのクレーンが出現。「これがあの話題のTSMCか!」ということで、近づいてみました。

2月の時点では建設現場は壁に囲まれていて、時折ダンプカーが出入りするタイミングで中の様子が伺い知れます。このときはまだ鉄骨の骨組みを組んでいる状態でしょうか。

2023年5月:外壁工事が進む

5月も同じく、国道57号線を阿蘇方面に走りました。既に外壁ができている建屋もある様子。再び近寄って見ると、既に外壁までできているようです。工場の周りはトウモロコシ畑の緑が鮮やかでした。

2023年5月には建物の外形ができてきた様子
外壁工事中の建屋
トウモロコシ畑越しに工場を臨む

2023年8月:全体像が見えてきました

8月には建物の外観がかなり出来上がっていて、正面玄関と思われるところに社名看板もついていました。この後は事務所の内装や工場の設備の設置・立ち上げが進んでいくこと思います。

2023年8月には社名看板がついていました

TSMCの建設で地元はさぞかし活況か、と思っていましたが、地元の製造業関連の方に話を聞いてみると、装置や部品の受注先は県外の会社が多いので、熊本の地場企業へのメリットは限定的ということでした。逆に人件費や不動産価格の高騰で、従来のビジネスの継続が厳しくなっている状況もあるようです。外から見たイメージと地元で聞いた実情が結構違ったので、「やはり当事者から直接聞くことは大切だな」と取材の基本を実感しました。TSMCの工場はまもなく開業ということなので、次回近くを通過する機会があったらまた様子を見に行きたいと思います。

以上、ものづくりライター新開でした。