Photonix2017 レーザー加工技術展 レポート

2017年4月5日(水)~7日(金)に東京ビッグサイトで開催された「Photonix 2017 第17回 光・レーザー技術展」に行ってきました。少し時間がたってしまいましたがレポートしていきます。

210社が最新の光・レーザー技術を展示した大型展示会

Photonix 2017は、「光・レーザー技術」分野で日本最大級の展示会。同時開催の「高機能金属展」「ファインテック・ジャパン」「接着・接合EXPO」等の展示会とあわせると、全部で1540社が出展しており、日本最大級の工業系展示会のひとつであるといえます。海外からの出展者、来場者も多く、日本の技術が世界で注目されていることがよくわかります。ここから、会場で見つけたトピックスを紹介していきます。

レーザー加工体験ブースが登場

まず会場で最初に目を引いたのは、株式会社レーザックスの「レーザー加工体験ROOM」でした。ハンドトーチ型ファイバーレーザー溶接機「OPTICEL FH-300」を使い、初心者も気軽にファイバーレーザーによる溶接を体験できるイベントです。体験者の田中さんに話を聞いたところ、「レーザー溶接に初めてチャレンジしましたが、短いレクチャーでこんなに簡単に溶接できたので驚きました。板厚0.8ミリの薄板でもひずみなく溶接できたので、いろいろな可能性を感じました」とのことでした。レーザー加工については、また後日詳しくレポートします。

レーザ3D積層造形装置

ドイツの工作機械・レーザー加工機メーカー「トルンプ株式会社」のブースでは、3D積層造形装置「TruPrint1000」の加工実演が目を引いていました。この装置では、金属のパウダーを一層ずつレーザーで焼結していくことで、1辺100mm以内の立体造形物を製造します。3D積層造形では機械加工では不可能な入り組んだ形状を実現できるのが特徴です。現在のところ精度は0.2mm程度。まずは歯のかぶせ物での実用化が期待されているとのことです。

 

ビームプロファイル制御機能付き光学ヘッド

続いてレーザー発振器をメイドインジャパンで開発されている古河電工(古河電気工業株式会社)のブースを訪問。現在古河電工製では、シングルモードのファイバーレーザーが300W/500W、マルチモードでは最大6kWまでの国産レーザー発振器を実現されたとのことです。国産勢の今後に期待したいと思います。さらに画期的なビームプロファイル制御機能付きの光学ヘッドが展示されていました。こちらも後日詳しく解説します。

レーザーアブレーションの展示も

澁谷工業ブースでは、レーザーアブレーションの実演を拝見しました。レーザーアブレーションは、レーザーで金属を蒸発させて蒸着等の加工を行う技術です。同社はこれを短パルスレーザ+ガルバノスキャナの組み合わせで、特殊素材に熱影響の少ない加工を実現しました。実演では厚さ25ミクロンのポリイミドフィルムのダレのない切断加工を行っていました。

来年は12月、幕張メッセで開催

これまで、この展示会は毎年4月に開催されていましたが、東京オリンピックの関係で、次回は2018年12月、会場も幕張メッセに移動するとのことです。また日本メーカーの新しい技術が見られると思うと今から楽しみです。

次回からは個別のブースや技術について書いていきます。以上、ものづくりライターの新開でした。