石坂産業 見学レポート その2:くぬぎの森と里山、そして人

前回から続く埼玉県三芳町の石坂産業の見学レポートです。

今回工場見学をお願いした目的は2つありました。一つはリサイクル率95%超の産業廃棄物処理工場を見学すること。もう一つは石坂産業が周りで守っている森と里山、それを守る人々に触れることです。

リサイクル工場を囲む「くぬぎの森」

石坂産業の敷地面積は、東京ドーム4個分の広さとのことです。そのうち工場はほんの少しで、敷地の87%を里山、森、畑が占めています。もともとは周辺の土地に不法投棄の廃棄物の山があったところを石坂産業の管理下に置いて順番に片付けて森を整備。周辺住民の憩いの場「くぬぎの森」として公開されています。

くぬぎの森

「くぬぎの森」は広葉樹の森なので2月は殺風景に見えるが、落ち葉は集めて腐葉土の原料になる。シュンランやヤマユリも自生している。

くぬぎの森は「森の保全費」として 大人500円を支払えば営業時間中、誰でも見学できます。森の中を走るミニSLも整備されていて、この日も子供たちに大人気でした。

くぬぎの森の中を走るミニSL。新幹線バージョンもある

そして石坂ファームの畑では、この時期ネギが最盛期。ネギは新開の大好物ですので、収穫体験もさせていただきました。ものすごく甘くて美味しいネギです。

石坂ファームのネギ畑。土がふっかふかでうらやましい。

ゴミを出さない技術と、森と里山を守る人材

石坂産業の見学で一番印象に残ったのが、スタッフの皆さんが生き生きと働いていることでした。当然と言えば当然のこと、あいさつ、身だしなみ、ちょっとしたゴミを拾うということですが、なかなか全員ができることではないと思います。

その秘密のひとつが、石坂義塾という社内研修制度だそうです。他部署の仕事内容を終業後にお互いに勉強しあうことができるプログラムで、見学者のご案内係がリサイクル工場の仕事内容を勉強し、リサイクル工場の職人さんが畑の勉強をします。そうすることでお互いの仕事の理解を深め、会社の方針を全員が理解して同じ方向を向くことができる。人事評価制度もわかりやすく整備されているので社員の間で不満も出にくいそうです。本当に色々勉強になりました。

くぬぎの森のエントランスとなる交流プラザ。地元野菜を使った料理やミル挽きコーヒーなどが楽しめる。

この日案内してくれた小堀さんは以前Facebookに「この会社に入って本当に良かった」と書いていました。私も愛知に戻って、こういう会社を作るお手伝いを(微力ながら)していきたい、と強く思った一日でした。石坂産業の皆さま、小堀さん、どうもありがとうございました! 違う季節にまたお邪魔します。

石坂産業株式会社