ものづくりライターの新開です。2023年11月29日~12月2日まで東京ビッグサイトで開催された「国際ロボット展2023」で、中小企業の生産性向上・自動化にものすごく使えそうなツールを発見しました。アルミフレームのメーカーとして知られる株式会社SUSが販売している「SiO(エスアイオー)」です。
製造業の現場に特化したノーコードツール
「SiO」のネーミングは「シンプルI/O」が由来ということで、従来のプログラムでは必要不可欠なI/Oをものすごくシンプルに、誰でもできるようにしてくれた、いわゆるノーコードツールです。これが製造業の現場に特化しているのがポイントだと思います。
「SiO」は日本語で簡単にプログラムを作れるようになっているので、プログラミングの知識やスキルがなくても大丈夫です。自分のやりたいように、しかも短期間で、簡単な現場改善やからくりの電動化、自動化などに取り組むことができます。
ちょっと例を見てみましょう。SiOのプログラムは、インターネットで無料公開されているソフト「SiO-X Programmer」を使います。画面上は日本語の選択式になっていてm「A が ONになると、BがOFFになる」「Cが 〇秒 ON し続けると、DをONにする」という感じで、順番に選択して指示を与えていくスタイルです。
「人が数える」「人が走る」を自動化
これが現場でどのように使えるかというと、
- 指示書のバーコードを読んだら、対応する部品箱のシャッターが開く
- 重さが何グラムよりオーバーしていたら赤のランプがつく
- センサーの前を製品が何個通過したら止まる
- モーターを〇秒動かしてから止める
- センサーの前を人が通過したらアラームを出す
- AのセンサーがONになったら、Bのコンベアを動かして次に送る
という感じで、今まで「人が数える」「人が走る」「人がスイッチを押す」などやっていたことを、簡単に自動化やポカヨケの仕組みを構築できるようになります。
また、連動して動くセンサーや、コネクタで簡単に接続できる配線が既製品で用意されているので、電気配線の知識がなくても組み立てられるのも大きなポイントです。これを従来のスタイルでやろうとすると、PLCと電気設計と配線工事ができるエンジニアを育成するか、そういう人を他社から連れてくるか、という2択になってしまいます。それでコストも時間もかかってしまい、中小企業はなかなか手が出しにく、自動化が進まない要因のひとつになっていたと思います。
それが「SiO」を使えば、社内のスタッフがちゃちゃっと組めるようになると思います。「こういうのが欲しかった!」という会社も多いのではないか、とうれしくなってしまいました。
簡単に組み立てられる連携製品もラインアップ
この「SiO」シリーズには、各種センサーやIAIの直交ロボット、SMCのエアシリンダーなど、簡単に連携できる認定製品と、コネクタで簡単に接続できる電気配線がカタログ化されています。価格も一番安いタイプで1個2,000円、マルチタスクができるX3でも6,000円台と安価で、とにかく導入のハードルが低いのもうれしいポイントです。これを上手に使って、中小企業もどんどん自動化を進めていってほしいものです。
SUSでは「SiO」を使って小学生向けのプログラミング教室を開催しているそうで、皆さん30分ぐらいでプログラムができるようになっているそうです。これなら私でもできるかも? ということで、さっそく「スターターキット 」を購入しました。まずは自分が覚えて、当オフィスの顧客から普及活動を始めていきたいと思います。
以上、ものづくりライター新開でした。
SiO 現場力を強化する --SUS株式会社
https://sio.sus.co.jp/
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