5月28日(月)より、2018年の省エネ補助金(エネ合)の公募が始まります。公募開始に先立ち公募要領が出ていましたが、全部読むのは大変なので要点だけまとめてみました。

※長~い公募要領・詳細情報はこちら、SIIのホームページにあります。

エネルギー合理化補助金概要2018アウトライン

予算規模:190億円
公募期間:平成30年5月28日~7月3日 17時必着

「エネ合」としての予算は昨年より減少した模様です。公募期間はやっぱり1ヶ月しかないので、これからの準備(見積取得~申請資料作成)では申請まで持って行くのは難しいかもしれません。

Ⅰ:工場・事業場単位

昨年同様、設計費・設備費・工事費の1/4~1/3(条件付で1/2)の補助を受けられる制度。当事務所の顧客層では、CO2レーザー切断機⇒ファイバーレーザー切断機に更新する場合に申請の検討をされる企業が多い様です。

補助金上限額:15億円/年度
補助金下限額:100万円/年度

補助対象事業は以下のすべてを満たす事業であること
①投資回収年が5年以上の事業であること
投資回収年=補助対象経費[円]÷(計画省エネルギー量[kl/年]✕燃料評価単価[円/kl])

②エネルギー使用量が1,500kl以上の工場・事業場等と中小企業者に該当しない会社法上の会社は省エネ法に基づき作成した中長期計画等に記載されている事業であること

「中小企業者に該当しない会社法上の会社」=大企業も上限15億円で補助対象になり、大手が競合になってくる可能性も出てきました。

(ア)省エネルギー対策事業

省エネ設備への更新・改修等、計測・見えるか等の機能を備えたエネルギーマネジメントシステム(EMS)の新設により省エネを達成する事業
(下記①~③は増エネにならないこと)

【申請要件】
①計画省エネルギー率、1%以上
②計画省エネルギー量、1,000kl以上
③費用対策効果、200kl/千万円以上
④計画エネルギー消費原単位改善率、1%以上

ポイントは、個々の生産設備で原単位改善率を求めるのではなく、事業所全体の原単位改善率を求めること。複数の生産設備がある場合は、加重平均で事業所全体の改善率を求める必要があるようです。

(イ)ピーク電力対策事業

蓄電池・蓄熱システム・自家発電設備の新設等により、電気需要平準化時間帯(ピーク電力時間帯)の電力使用量を削減する事業

※ピーク電力時間帯:7/1~9/30及び12/1~3/31の8時~22時

【申請要件】
①計画ピーク対策降下率、5%以上
②計画ピーク対策降下量、190万kWh以上
③費用対策効果、80万kWh/千万円以上
④計画ピーク対削減単位改善率、1%以上

ピーク時間帯の電力量ベースで、上記のいずれかを満たせば申請可能。工場に大規模な蓄電池や自家発電設備等を設置する場合に該当しそうです。ただし、太陽光、風力、バイオマス等再生可能エネルギーを使った発電機は対象にならないようなので注意が必要です。

※(ウ)はエネマネ事業者向けなのでここでは割愛します

Ⅱ設備単位での省エネルギー設備導入事業

補助金上限額:3,000万円
補助金下限額:30万円

導入する補助対象設備は以下の要件をすべて満たすこと

  • 更新前後で使用用途が同じであること
  • 兼用設備、将来用設備又は予備設備等ではないこと
  • 中古品でないこと
  • エネルギー消費を抑制する目的と関係のない機能やオプション等を追加していない設備であること
  • その他法令に定められた安全上の基準等を満たしている設備であること

既存設備を一定以上の省エネ性の高い設備に更新する事業

【申請要件】
下記の設備でありSIIが定めた基準を満たしていること
・高効率照明 ・高効率空調 ・産業ヒートポンプ ・業務用給湯器 ・高性能ボイラ
・高効率コージェネレーション ・低炭素工業炉 ・変圧器 ・冷凍冷蔵設備 ・産業用モータ

申請要件にある設備の「設備費」のみが補助対象で、1/3が補助されます。補助金額は下がりますが、申請が「Ⅰ 工場・事業場単位」と比べて簡素化されているため、申請しやすくなっています。「LED照明」「エアコン」「ボイラー」「冷凍・冷蔵設備」等の更新を予定している企業は検討する価値ありです。


ということで、今年のエネ合の概要を見てきましたが、相変わらず申請のハードルは高そうです。省エネ計算も複雑ですので、協力体制が組める専門家を早めに見つけるのが得策です。申請予定の企業の皆さん、がんばってください!

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