2017年2月11日、埼玉県の産業廃棄物処理業「石坂産業株式会社」のリサイクル工場の見学に行ってきました。石坂産業は埼玉県三芳町の産業廃棄物処理業者で、石坂典子社長はカンブリア宮殿、がっちりマンデー、NHKなどテレビをはじめとするメディアにたびたび登場されています。本業である産業廃棄物処分業だけでなく、地域の里山を守る活動や会社組織づくりなどでも先進的な取り組みをされており、ぜひ勉強に行きたいとずっと思っておりました。今回はこの会社で働く夫の友人の協力で、工場と森、畑を見学させていただくことができました。

産業廃棄物のリサイクル率、95%以上!

石坂産業

石坂産業のエントランス。廃棄物搬入のルールが明記されている。

石坂産業には、さまざまな産業廃棄物がトラックやダンプで次々搬入されてきます。その廃棄物を徹底的に分別して、再生できるものを再生する。一般的な最終処分業者ではリサイクル率80%程度のところ、石坂産業は95%以上を達成しています。そのためお客様の約4割が同業の産業廃棄物業者。自社で処理できない残り20%を石坂産業に持ち込むのだそうです。

石坂産業に廃棄物を搬入するためにはいろいろなルールが決められています。それをエントランスに見やすく掲示し、業者さんたちに守ってもらっているそうです。すでに分別・整頓して積んできたトラックは搬入料金が安くなる料金体系になっているそうです。この日は祝日のためトラックの台数が少ないとことでした。

廃棄物から再生した商品を開発、販売

廃棄物を徹底的に分別。木材は4種類、金属は16種類など、とにかく細かく分別して再生します。写真は固形燃料の原料。

率直に言って、石坂産業のビジネスモデルはスゴイと思いました。最終処分場なので、もちろん廃棄物を持ち込むのにはお金がかかります。それを木、金属、土などの大分類の後、再生可能なレベルによって小分類に徹底的に分別します。それで独自のリサイクル技術によって、出来上がった商品を販売しています。つまり石坂産業にモノが入るときも出るときも、必ずお金になる。そして、それができるのは石坂産業に技術と人があるからです。凄いなー。

 

 

工場をすべてオープン! 地域に受け入れられる産廃業者に

工場見学を案内してくれたのは、石坂産業で農園と森を管理する責任者の小堀さん。LEEのジーンズを使った制服もかっこよかった。

石原産業は広く工場見学を受け入れています。というのも、産廃業者というのはどうしても地域の嫌われ者的な存在になってしまうため、事業の存続のためには会社の仕事をまわりに理解してもらう必要がある。そこでまず、地域に迷惑をかけないように、埃が舞い上がらないように作業場に壁と屋根を取り付けて囲んだそうです。そうしたら地域の人々は「中で何やってるかわからない」というリアクションだったため、見学通路を整備して向上の公開に踏み切ったとのことでした。

 

 

どうしても機械で分けられなかったものを手作業で選別。コンベアで流れてくるモノをひたすら分ける大変な作業。

重機と機械で選別⇒最終的には手作業で

工場内はほぼ完全に電化されており、日立と共同開発したという電動の重機が活躍していました。搬入された産業廃棄物は、重機でざっくり選別⇒機械で選別⇒それでも見分けられないものは手作業で選別。どうしても分別できなくて、何が入っているかわからないものだけを埋立てに持っていくそうです。

右の写真は手作業による分別。大変な作業だなー、と思って見ていたら、たまにこの作業の応援に入るという小堀さんは「コンベアが右から流れてくると目が回る。左側からは何故か大丈夫」とのことでした。作業中にもかかわらず、みなさん大きな声で「こんにちは!」とあいさつしてくれたのも印象的でした。

次回はリサイクル工場を出て、工場周辺の森と里山をレポートします。

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新開
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