2020年3月上旬、広島県にある離島、大崎上島町で石炭ガス化プロジェクトに取り組む「大崎クールジェン株式会社」様の見学にお邪魔させていただくことができました。
日本のエネルギー自給率は8%程度と低く、現在日本は再生可能エネルギーを推進しながら、原子力、LNG、石炭などによる従来からの発電方式を組み合わせた「エネルギーミックス」に取り組んでいます。なかでも石炭は価格が安く、供給が安定していて調達しやすいという事情があり、日本では2030年にも26%を石炭火力でまかなう計画を立てています。一方で石炭火力発電にはCO2排出量が多いという課題もあり、世界的には「脱石炭」という流れになっている状況です。
さて、昨年末に行われた地球環境を議論する国際会議「COP25」では、脱石炭に積極的に取り組んでいないということで、日本に「化石賞」が贈られたというニュースが話題になりましたね。
(出典:日本経済新聞 2019/12/12 「脱石炭示さぬ日本に再び「化石賞」 COP25で環境団体」)
しかし、日本では以前から、石炭火力を効率良く行ってでCO2排出を抑制する研究・プロジェクトが進められていました。それが、今回お邪魔した大崎クールジェンが取り組んでおられるプロジェクト。石炭を燃やすのではなく、ガス化してCO2排出量を抑え、効率よく発電するプラントの実証事業です。今後石炭火力発電に頼らざるを得ない国にとって、CO2排出量削減を実現できる可能性があり、しかも実用化のフェーズに近付いていることがわかりました。
環境大臣も、国際会議でこういうプロジェクトに触れて、脱炭素に取り組んでいることをアピールすれば良かったのに…… なんて思ってしまいます。次回からは当オフィスのマネージャーが、プロジェクトの概要とCO2削減についてまとめます。
(オフィス・キートス 代表 新開潤子)
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