オフィス・キートスのマネージャー・新開豊員が、マリンメッセ福岡で開催された展示会「モノづくりフェア2024」で、カーボンニュートラルセミナーに参加してきました。マネージャーのレポートをお届けします。

[セミナー]
先進事例に学ぶ!中小企業のカーボンニュートラル(CN)実践
中小機構・株式会社花菱塗装技研工業

CNの取組みは競争力強化と光熱費削減につながる

前半は中小機構九州本部のアドバイザー、馬場氏の講演でした。

冒頭から「今から脱炭素に取り組んでいかないと、将来的に取引先から取引条件の追加のような事象が起こり、事業継続が難しくなる可能性がある」という厳しい話からスタート。逆に早くから脱炭素に取り組んだ企業は、自社の競争力強化、優位性、光熱費燃料費の軽減、知名度の向上といったメリットがあるとのことでした。

カーボンニュートラル簡易診断も行われており、積極的にそのようなサービスを利用して脱炭素に取り組んでほしいということです。

私が少し衝撃を受けたのは脱炭素への取り組みでも最初に5Sへの取り組みが示されたことでした。5Sをスタートにしてプロセスの改善→スマートファクトリー→IoTを行っていくことによって生産性の情報を測ることの重要性もいわれていました。

エネルギー生産性向上=生産性向上/エネルギー消費削減 という式も示され、脱炭素への取り組みが企業の競争力強化につながっていくのだと感じました。

花菱塗装技研工業の取組み・成果事例紹介

後半は、宮崎県の塗装業、株式会社花菱技研工業から、新富支店 事業の𠮷野氏が登壇されました。

花菱塗装技研工業は、従業員100名程度の中小企業。プロジェクト名を「ゼロ」ミッションプロジェクトとして、カーボンニュートラルに全社に取り組まれたそうです。

取り組みのきっかけは、社長が参加した自動車産業の様々な会合で「カーボンニュートラルに取り組まないといけない」と危機感を感じたとのこと。今直接は脱炭素への取り組みを求められていない業界や会社であっても、発注元は既に発注先の選別に脱炭素への取り組みを評価する仕組みができ始めているように感じられました。そこでセミナーで紹介された実際の取り組みの一部をご紹介したいと思います。

1. Scope 1.2をターゲットに取組み開始

カーボンニュートラルに取り組む組織を強化するところからスタートして、徹底的な見える化を行うために中小機構の協力も得ながらデータを取得。それにより季節による差、設備の運転時間短縮、エアーフィルターの見直しなどを実施した

2. 季節による電力使用を見直し

すると季節による電力の使用量に大きな差が生じていたことがわかり、チラー停止などの運転見直しを行うことによって大きな電力使用量削減を実施できた

3. 作業時間削減の取組み

次にロボットティーチングの時間削減を実施。コストとして1685万円、二酸化炭素換算で27tの削減が実現した
(具体的なティーチング時間の削減方法の紹介はありませんでした)

4. 設備更新の検討

設備の老朽化による影響を発見し、設備更新を早めることによってGHG排出量の削減にも繋げられた。この他にもラインの変更、作業工程の変更を実施。

3. Scope 3の取組みへ

その後Scope3への取り組みをスタートさせScope3でも成果を上げてきているとのことでした。

まとめ

花菱塗装技研工業の例を聞き、たとえ無理のない範囲でスタートできる脱炭素の取組みを、できる限り早いタイミングでスタートする必要があると感じました。当オフィスの顧客企業でもできる取組みがありそうなので、順番にご紹介していきたいと思います。



中小機構では専門家のアドバイスを受けられるので、相談してみるのが良さそうですね。

以上、オフィス・キートス マネージャーの新開でした。

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