小さなものづくり企業の営業改革大作戦

オフィス・キートス代表、ものづくりライター新開の最新作が、2022年10月31日(月)、日刊工業新聞社より発行されます。

タイトルは

「小さなものづくり企業の営業改革大作戦」

「ものづくりライター兼コンサルタント」として活動し、数百の町工場を回ってきた中で、中小製造業ならではの課題を多く見てきました。中でも取組みが進んでいないのが「営業」。「良いものを作っていれば自然に次の注文が来る」と言っているうちに、製造業を取り巻く環境は変化してしまいました。そこで、ひとりからでも、営業マンがいなくても、すぐに始められる打ち手を中心に、中小企業の営業ウーマンとして実際に売上を獲得してきた実績をもとにした独自ノウハウを1冊にまとめています。

ここに「はじめに」の一部を転載しておきますので、ぜひご一読ください。

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はじめに

「良いものを作っていれば自然に次の注文が来る」時代は終わった

―――これからは町工場も「営業」なしでは生き残れない

2020年にコロナ禍が始まってから早3年。コロナ禍は世界中のあらゆるビジネスに変革をもたらし、私たち製造業のビジネスにも大きな変化が起きているのはご承知の通りです。

製造業は完成品メーカーをピラミッドの頂点としたサプライチェーンが構築されていることもあり、従来であれば親事業者からの依頼に対して品質・価格・納期を守って納めていれば、継続して注文が来るのが当たり前でした。良い製品を作って次の注文を待つという「待ち工場」のスタイルは、経営戦略としてはある意味正解だったわけです。

ただ、コロナ禍の前から変革の兆しはありました。たとえば自動車業界でいえば、トヨタ自動車がプラットフォームを共通化する「TNGA」の推進により、自動車を構成する部品点数が削減される見通しであることや、電気自動車(EV)化が進めば、エンジン周りや排気系の細かな部品が不要になる可能性が高いことなど、「良いものを作っていても次の注文が来ないかもしれない」時代が来ることが予想されていました。その流れにコロナ禍が追い打ちをかけ、変化のスピードが加速したことを実感している方も多いのではないでしょうか。

-中略-

営業本としては基礎的な事項が多く、マーケティング寄りの構成になっていますが、製造業の営業の現場で実践して新規顧客、売上を獲得してきた具体的な方法の中から、小さなものづくり企業でも実践できる内容をピックアップして紹介しています。常日頃から経営計画・営業戦略に基づいて会社の舵取りをしている経営幹部の方々には物足りない部分もあるかもしれませんが、貴社の現状に合わせて必要な部分をご確認いただければ、工数を抑えながら前に進むヒントを見つけていただけることと思います。

本誌がものづくりに関わる皆さまの営業活動の一助となり、取組みの結果売上、利益を獲得して、会社の成長、ひいては部品加工業・製造業全体の底上げにつながることを祈念しています。

2022年10月

ものづくりライター
オフィス・キートス代表

新開潤子

投稿者プロフィール

新開
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