こんにちは、ものづくりライターの新開です。2017年8月31日、横浜市にあるトルンプ株式会社のテクニカルセンタを訪問する機会をいただきました。めったにないチャンスですので、これから数回に分けてレポートしていきます。
トルンプ株式会社は、ドイツに本社があるレーザー機器・総合板金加工機のメーカーです。2017年6月末締めの2016/17年度のトルンプ全体の売上額が31億ユーロ(日本円換算で約4050億円)世界で従業員数11,000人以上という巨大企業です。1923年創業の老舗ですが、前年の11%増と現在も成長を続けている成長企業でもあります。
日本ではドイツ企業が集まる横浜市のジャーマン・インダストリー・パークに営業拠点を置き、最新設備の展示場として「テクニカルセンタ」を常設しています。日本の板金加工設備市場でおそらく1~2割程度のシェアがあると思われますが、それでも日本での販売は世界の売上総額の5%にも満たないそうです。いろいろ数字が大きくて圧倒されますね。
では、テクニカルセンタに入ってみましょう。
まずは金属の板を曲げるプレスブレーキから見学しました。最初に見たのがこちらの小型プレスブレーキTrubend7036です。この設備は女性が座って作業することを考えて設計されており、金属加工の経験が全くない女性でも使えるようにさまざまに配慮されていました。実際に私も加工させて頂きましたので、次回レポートしたいと思います。
続いて大型のプレスブレーキ「TruBend5085」へ。金型の交換と芯出しがボタン一つで行えるため段取り作業を大幅に短縮できるほか、バックゲージが左右別々に高速で動く「6軸バックゲージ」、角度センサーで正確な曲げ角度の実現など、曲げ加工の生産性を高める機能がいろいろと搭載されていました。
続きましてレーザー溶接ロボット。私にとってはなじみのある技術で、説明もスッと理解できました。段取り替えなしで複数の加工を続けてできる焦点シフト機能がとても便利そうでした。
続いてはパンチレーザー複合加工機「TruMatic7000」。パンチレーザー複合加工機は、型で金属の板を打ち抜くパンチングと、切断用レーザーを両方搭載しており、それぞれの利点を最大限に活かします。こんな加工ができるのか! と驚きもありましたので、後日詳しく解説します。
最後にトルンプのコア技術の一つであるレーザー加工機「TruLaser5030fiber」を見せて頂きました。7月の展示会「MF Tokyo」で日本初登場し、注目を集めていた最新機種です。
いちばんの特徴は、切断に使う窒素の使用量を70%削減する点です。実はレーザー切断でコストがかかっていたのは電気代よりも窒素だったということで、独自技術で窒素使用量の大幅削減を実現したとのことです。
最後に、当日見学したメンバーで記念撮影して終了。機械の話、加工の話で盛り上がりながら、5時間があっという間でした。ありがとうございました!!
以上、ものづくりライターの新開でした。
【取材協力】
トルンプ株式会社 |
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