2017年4月5日(水)~7日(金)に東京ビッグサイトで開催された「Photonix 2017 第17回 光・レーザー技術展」の取材の中から、クローズアップしたいものづくり技術を取り上げています。今回は、レーザー加工の加工実例をご紹介します。
レーザー加工なら斜めに穴があく
機械加工で金属に穴を開ける際はドリルを使うのが一般的ですが、ドリルの刃は斜めには入りません。そのため曲面や斜め穴は機械加工ではNGとなるケースがほとんどです。
しかし、レーザーは物質ではなく光ですので、対象加工物が曲面でも斜めでも、光の入射方向からまっすぐ穴を開けることができます。ファイバーレーザによる斜め穴加工の断面の写真がこちら。
これは航空機向けのタービンブレードを模したワークを切断したサンプルです。航空機のタービンブレードは使用の現場では大変高温になりますので、少しでも冷やすために上記のような冷却穴を開ける必要があります。しかし前述の通り、表面が曲面なので、ドリルでは穴を開けることができません。
そんなときはレーザーの出番。高出力のファイバーレーザーにより、見事に斜めに貫通穴があいています。このような複数の穴を高速で開けられるのもレーザーの利点ですね。
このほかにも、レーザーは様々な加工で有効に使えます。加工事例をこれからもご紹介していきます。以上、ものづくりライターの新開でした。
【取材協力】
株式会社レーザックス 愛知県知立市に本社を置くレーザー加工ジョブショップの老舗。レーザーによる溶接、切断、表面処理等の受託加工を行うほか、レーザー周辺機器メーカーとして、国産レーザー加工ヘッド「OPTICEL」シリーズ、ハンドトーチ型ファイバーレーザー溶接機「OPTICEL FH-300」を発売している。 |
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