2021年1月、寒波やLNG不足、火力発電所のトラブルなどのいくつかの要因が重なり、全国的に電力不足が引き起こされました。また、その影響により市場連動型の新電力会社と電気契約を結んでいた企業では、電気料金が急激に上がって大変なコスト負担が生じたことがマスコミでも大きく取り上げられました。

2021-22の冬も電力不足の予想!

今シーズンについても、2021年末から翌2月末あたりまで、全国的な電力不足と電気料金の高騰が予想されています。既に電力大手10社も12月も値上げと発表されているほか、新電力各社でも契約や料金体系の見直しが始まっています。このような状況で、オフィス・キートスが応援している製造業でも電気料金の値上げ・負担増が見込まれます。

そこで今回は、コストをかけずに少しでも節電、節エネルギーできる方法を、事例を含めてご紹介します。今回は、製造現場のボイラの設定圧力やコンプレッサの吐出圧低減といった大幅な見直しではなく、事務所と事務所スタッフで対応できる、ついつい見落としがちな節電方法を中心にご紹介していきます。参考になれば幸いです。

小さな積み重ねが大きな省エネ効果に

小さな省エネ① 照度管理による照明の間引き

JISの照明基準によれば、事務室の照度は750lxより明るい照度が推奨されています。日中南側に窓がある部屋は1200lx以上の明るさがあることも珍しくないのですが、「照明をつけないと何となく暗く感じる……」という理由で事務所の電灯が全て点灯している事はないでしょうか? 最近ではスマホアプリで照度計もありますので、ぜひ事務所の照度を一度測定してみてください。

私が作業している事務所でも、日中はメインの電灯は点灯させず、卓上照明だけで十分な明るさを確保することができています。

照度計のデータを元に、たとえば晴れている日は15時から全館点灯にするなど、点灯時間を再検討されてみてはいかがでしょうか? また、コストが許すのであれば、照度センサーのついた照明器具に交換すると、人手をかけず節電できると思いますよ。

小さな省エネ② サーキュレーター、加湿器の導入

多くの事務所では空調設備としてエアコンを使用していると思います。環境省は冬場の推奨温度を20℃としています。しかし、この温度では多くの方が寒さを感じているのではないでしょうか?

これは温度をコントロールしているセンサー部分の温度を感知しているため、足下の温度はそれより低い温度になっていることが多く、寒く感じてしまうと考えられます。この温度のかたよりを解消するために、サーキュレーターを導入してみてはどうでしょうか。空気を循環させることで、天井付近にたまってしまった暖かい空気を床付近まで降りてきて体感温度が上がり、結果的に省エネを実現することができます。

また、湿度を上げることでも体感温度を上昇させることができます。加湿器の設置や、濡らしたタオルなどをサーキュターの風が当たる位置に置いておくなど、工夫をして湿度を上げてみてください。ただし、加湿器はメンテナンスをしっかりせず使用し続けていると、カビなどが発生して健康被害につながることもありますので、正しくメンテナンスしながらお使いください。

小さな省エネ③ 配送用トラック、リフト、営業車のタイヤ空気圧を確認する

製造業では、配送用のトラック、積み込み用のリフト、営業活動のための乗用車などを保有している会社がほとんどだと思います。ぜひ一度タイヤの空気圧をチェックしてみてください。

たとえば乗用車では、空気圧が指定値より15%程度低くなると5%程度燃費が悪化するというデータも出ています。また、タイヤの空気圧は安全とも直結しますので定期的な点検をすることをおすすめします。

「そんな簡単なこともう既にやっているよ」という会社も多いかも知れませんが、小さな省エネの積み重ねが大きなコスト削減につながっていきます。他にも多くの事例がありますので、他社の省エネ事例を知りたい方はお問い合わせフォームから個別にご連絡ください。

Author: オフィス・キートス 新開豊員(マネージャー)

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